その13・地名への愛はどこへ行った?(過去から現在の合併ラッシュ解説)


今まで、日本全国でどれだけ合併ラッシュがあったか、歴史を振り返ってみました。

(1)文明開化に伴う大合併?(明治4〜30年)
この頃、栃木県足利郡では新田町と本町が合併して『足利町』が施行される。
群馬県邑楽郡では、木戸村や高根村、日向村他が合併して『多々良村』の施行や、足次村他が合併
して『渡瀬【わたらせ】村』が施行される。

(2)地名も大正デモクラシー?(大正元年〜昭和20年)
この頃、栃木県では足利町が市に昇格する。全国の市町村数が江戸末期〜明治4年に7万ほど
あったのが、2万以下に減ったのでは?
戦時下の足利市役所に「一票を生かせ、市を愛せ」という垂れ幕が下がっていた。同時期に他の
市町村も同じ事をしていたかは分からない。そのスローガンは今は通用しないかも。

(3)戦後〜高度経済成長に伴う大合併?(昭和26〜55年)
昭和27年に富山県氷見【ひみ】郡の氷見町と八代村他が合併して『氷見市』が施行される。
昭和30年にマクワウリの発祥地・岐阜県真桑村と禅正村が合併して『真正町』が施行された。
同年に栃木県では安蘇郡氷室村と常盤村が葛生町に吸収合併し、飛駒村他が田沼町に吸収合併
される。足利市に毛野村・山辺村・北郷村・名草村・矢場川村・御厨町・坂西村・富田村が続けて合併
する。(村名の多くが地区名として残る。)矢場川村と富田村・安蘇郡吾妻村の合併は、隣町とかなり
もめたとか。芳賀郡は市塙町と小貝町が合併して『市貝町』が施行された。
合成地名の多くがこの時期に集中?

(4)つかの間の安定期(昭和56〜平成10年)
平成8年に東京都五日市町と秋川市が合併して『あきる野市』の施行や、茨城県勝田市と那珂湊市
が合併して『ひたちなか市』が施行されるなど、最もペースが緩かった時期でした。
私達はこの時期が一番幸せだったかも?

(5)恐るべき合併狂?平成の大合併(平成12年〜)
私はこの時期から地名に関して不幸(?)になったと思います。でも、実に怪しい。どの政治家が合併
の黒幕か分からないし。故・小渕総理は地名への愛があったか謎である。
平成12年に兵庫県篠山町が丹南町と西紀町、今田町を合併して『篠山市』の施行を皮切りに、平成
17年3月に栃木県佐野市が安蘇郡の吸収合併や、4月に群馬県太田市が新田町や薮塚本町・
尾島町の吸収合併や、前橋市の周辺町村の吸収合併…。平成18年1月1日に三重県津市が周辺
町村の吸収合併は、ひどすぎます。第一、元日は役場が休みのはずなのに…。
全く、どこまで住民をいじめれば気が済むのよ !!

…ところが、当初は2005年春にラッシュを締め切るはずだったのに、2011年秋までラッシュが続いてしまいました。
いわゆる「第2期」ですが、バブル崩壊のそのときに「観光省」を設置すればよかった。


全国の市町村数が(3)の時期で1万をきり、(4)の時期で4000近くに減り、長い安定期に。
まさか、4000近くの市町村を2000か1000に減らすのか、極端に言えば、市町村数を200以下にしたり、都道
府県も合併して14に整理するつもりでないでしょうね?
「合併=発展する」はウソだと思います。合併は他力本願ですよ !! 借金は分割払い、市町村の赤字も
分割払い(市町村分割)すればいいのに…。
近いうち、私が住む栃木県足利市にも、合併の魔の手が…?
負けるな足利、数字フェチの市町村長は要らない…。






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