『東京23区と他県の空似』アーカイブ・2008年初夏 |
このエッセイは、2008年春〜初夏にかけてララのゲストブックでの「東京都23区にある地名と他の道府県 にある地名のそっくりさん」という発言を、対話形式で脚色したものです。ネタが溜まり次第、『東京そっくり さん』というローカルギャグ漫画を制作予定… ケース10・渋谷区最大のミステリー?「原宿駅」▼ 群馬県民の輪島桐生【わじま・きりゅう】は、渋谷区に住む女性・松濤円【しょうとう・まどか】に出会 うのだが… 桐生「え〜っ、どうして『原宿駅』って、『原宿』という住所はなくて、『神宮前』が所在地なんだよ…。」 松濤「別にいいじゃないの。地下鉄に『明治神宮前駅』がきちんとありますし…。」 桐生「…確か、群馬県太田市に『原宿町』という住所があって、国道50号線に『原宿南』という信号が あったような…。」 松濤「何か、東京23区と立場逆転してません?」 桐生「あっ、思い出した !! 栃木県都賀【つが】町に通じる東武日光線の家中【いえなか】駅の近所に 『原宿』があった !!」 松濤「簡単に家中った(言えなかった)りして…」 横浜市民の日吉菊名【ひよし・きくな】がそこに乱入してくる。 菊名「あの〜、横浜市戸塚区に『原宿町』があるって知ってる?」 桐生と松濤は、あっけにとられる。 ケース11・大空へ羽ばたけ?空港の街「羽田」▼ 大田区民の大森蒲太郎は、栃木県佐野市から来た高橋馬門【たかはし・まかど】に出会うのだが… 馬門「ふ〜ん、大田区って『大森』と『鎌田』の合成地名だったなんて、初耳だなぁ…」 蒲太郎「な?すげーだろ !!」 馬門「何か、この『羽田』って、佐野でも見た事があるような…」 蒲太郎「えっ ?!」 馬門は、リュックから佐野市の地図(ただし、2004年に出版されたもの)を取り出す。 馬門「『フルーツライン』と書かれた道の近所が『上羽田町』で、国道50号線の南側で渡良瀬【わたらせ】川 に近いのが、『下羽田町』なんだぜ。」 蒲太郎「空港の街・羽田とは、大違いだなぁ…。つーか、果樹園ってのどかだなぁ…」 馬門「だったら、他の街にも『羽田』があるか、探してみる?」 蒲太郎「いっいや、俺は大阪府の空港の街・泉佐野市についてを知りたい!!」 馬門「それは、またの機会に話すって…」 ケース12・ど根性で他県の古きよき地名を残してほしい気がする「神田相生町」▼ 富山県小杉町民の小杉戸破【こすぎ・ひばり】は、神田神保【じんぼう】町の神田古書街から帰る途中、 群馬県民の輪島桐生と再び会うのだが…。 桐生「うわーっ、千代田区って『神田○○町』というパターンの地名、やたら多いよなぁ…」 戸破「ワテが今までおったのは、神田神保町の古書街やけど…。」 桐生「『神田相生町』って、地元で似たような地名を見た気がするんだけど…」 戸破「『相生町』って、そんなにありがちな町名やの?」 桐生「実は、栃木県足利【あしかが】市と佐野市、群馬県桐生市に『相生町』があるんだぜ。」 戸破「何で、都合よく隣町同士に同じ地名があんねん !!」 桐生「以前、兵庫県相生市が『ど根性大根』で有名になったよなぁ〜。」 戸破「あぁ覚えとるで !! …つーか、ど根性で古きよき街の名前を続けろや !!」 桐生「最近注目されてる徳島県上勝【かみかつ】町の近くにも、『相生町』があるし…」 戸破「質問ー !!何で、東武桐生線の相老【あいおい】駅は、所在地の桐生市相生町と字がちゃうの(違うの)?」 桐生「近くに天然記念物の『相老いの松』があるからじゃないのか…?」 戸破「ふ〜ん。」 横浜市民の日吉菊名【ひよし・きくな】がそこに乱入してくる。 菊名「あの〜、横浜市中区に『相生町』があるって知ってる?」 桐生と戸破は、あっけにとられる。 桐生「あっ、板橋区に『相生町』があること忘れてた !!」 戸破「遅すぎや !!」 ケース13・灯台もと暗しな隣町「駒場」と「大橋」▼ 栃木県足利市民の吉江新萩【よしえ・あらはぎ】は、目黒区大橋で下宿している萩太【しゅうた】に地元の ホームセンターで買ったものを届けにくるが…。 萩太「いつも母ちゃんが届けてたけど、今回は姉貴に感謝だな。」 新萩「どうも。…でも、『大橋』という地名は、足利や佐野で見た気がするんだけど…」 萩太「佐野市大橋町は、高校の通学で何度も通ってます !!」 新萩「はい、そうでした…。足利の方は『助戸大橋町』と『大橋町』の2つがあって紛らわしいよ !!」 萩太「お前なぁ…。」 新萩「東京大学の近所の駒場って、足利市駒場町とは大違いだよね〜。」 萩太「俺は、池尻大橋駅より駒場東大前駅の方を使ってるけどな…。」 新萩「たまに駒場町に住んでる友達の家に遊びに行くけど、両毛線の富田駅って、上りの始発遅いよね…。」 萩太「それは、途中に車両区が無いからだろ…」 参照 JR両毛線富田駅の時刻表 http://ekikara.jp/newdata/station/09202041.htm ケース14・変わり果てた?地名に白河夜船な「白河」▼ 福島県矢祭【やまつり】町民の小宮山律【こみやま・りつ】は、葛飾区に住む広小路青砥【ひろこうじ・あおと】 の家を訪れるが… 小宮山「江東区にある『清澄白河駅』って、どこかで見たような…」 広小路「福島県と岐阜県に同じ読みの地名が沢山あると言いたいでしょ?」 小宮山「そろそろ岐阜県白川村から、俺の知り合いが来ます。」 青砥の家のドアチャイムが鳴ると… 広小路「あんたが、岐阜県白川村から来た奴か?」 白川「そやけど、ワテの名前は白川剛【しらかわ・つよし】や。」 小宮山「なぁ、岐阜県に3カ所も『白川』が付く町や村があるの面白いだろ…?」 広小路「字が違うのに、同じ地名が3つあるのって、面白〜い !!」 白川「世界遺産に登録された白川郷がある白川村は大野郡、加茂郡には白川町と東白川村があるんや。」 小宮山「俺が住んでる福島県には白河市があるけど、谷中温泉がある西白河郡表郷村他が編入して しまったのが、残念です…」 白川「岐阜県高山市が白川村以外の周辺町村を編入したのが、めっちゃムカつくで !!」 広小路「小宮山君は、何でここに来たの?」 小宮山「フフフ…何を隠そう、合併に頼りたくない町・福島県矢祭町は、『東白川郡』なんです !!」 白川「矢祭町がある『東白川郡』と岐阜県東白川村って、めっちゃややこしい !!」 ケース15・お山の大将が出現しそうな「小山」▼ 大田区民の大森蒲太郎は、栃木県小山市民の白鳥三夜【しらとり・みつや】に出会うのだが… 三夜「ここ品川区小山って、『こやま』と読むんだよな?」 蒲太郎「何で気になるの?」 三夜「俺の地元・栃木県小山市は、『おやま』と読むんだよなぁ…」 蒲太郎「以前、静岡から来た奴にも『東京じゃ[こやま]なのに、静岡県小山町は[おやま]って読むんだよ』と 言われた事があるぜ…」 三夜「静岡の小山…たしか、富士スピードウェイと紡績業が有名と聞いたような…」 横浜市民の日吉菊名がそこに乱入してくる。 菊名「あの〜、横浜市緑区に『小山町』があるって知ってる?」 蒲太郎「えっ?横浜にも !?…でもそれ『おやま』と読む確率低そうだな…」 三夜「漫画『あずみ』の作者の小山ゆうですら、読みは『こやま』みたいだし…」 千葉市民の緑川健都【みどりかわ・けんと】が通りかかる。 健都「あの〜、千葉市緑区に『小山町』があるのご存知ですか?」 三夜「あぁ誰か、小山出身の女形【おやま】の歌舞伎俳優教えてくれ〜 !!」 蒲太郎「知るか !!」 ケース16・神田つながりは後を絶たない?「神田錦町」▼ 富山県小杉町民の小杉戸破【こすぎ・ひばり】は、栃木県佐野市から来た高橋馬門【たかはし・まかど】に 出会うのだが… 馬門「千代田区の『神田錦町』って、似たような地名を地元で見たような…」 戸破「地元って、あんたの出身地の栃木県佐野市?」 馬門「佐野にはないけど、隣の足利市【あしかが】と群馬県桐生【きりゅう】市に『錦町』がある !! 兵庫県西紀町民の西紀鯉太郎【にしき・こいたろう】が通りかかる。 鯉太郎「ワテが住んどる兵庫県西紀町他が合併して『篠山市』施行は残念やけど、他の『錦町』も難儀やね…」 馬門「他の『錦町』…?」 鯉太郎「字違いの秋田県西木町は『仙北市』施行やし、山口県錦町は岩国市へ編入、熊本県錦町は『球磨 人吉市』施行…と知ると、『錦町』は消すべき存在と誤解されるで…」 馬門「市町村合併は、介護が必要な高齢者を増やす元と、誰か言ってくれ〜 !!」 戸破「徳島県上勝【かみかつ】町長か、葉っぱビジネスの取締役に言わせるのがええで !!」 横浜市民の日吉菊名【ひよし・きくな】がそこに乱入してくる。 菊名「あの〜、横浜市中区に『錦町』があるの知ってる?」 戸破「また、おまいかよ…。」 ケース17・フランク永井の歌を口ずさみたくなる「有楽町」▼ 栃木県足利市民の吉江新萩【よしえ・あらはぎ】は、渋谷区に住む女性・松濤円【しょうとう・まどか】に出会う のだが… 新萩「有楽町って、どこかで見たような…」 松濤「は?どこで?」 新萩「ここは千代田区有楽町だけど、私が住む足利市にも『有楽町』があるんだ。」 松濤「フランク永井の歌で『有楽町で会いましょう』があったわね…」 新萩「♪足利の有楽町で 会いましょう〜♪…ってか?」 松濤「ここ東京の有楽町は、足利出身の市の書道家・相田みつをの美術館があるのよね〜。」 新萩「足利の有楽町は、図書館があるし…」 参照 相田みつを美術館 http://www.mitsuo.co.jp/museum/index.html 『有楽町で会いましょう』を歌うムード歌謡の先駆者・フランク永井が2008年11月にご逝去されたので、 ご冥福をお祈りします。 |